「え?輪読会?聞いたことないな…」
「輪読会で効率よく理解できるの?」
今、IT系の技術者や研究者を中心として輪読会(りんどくかい)が話題になっています。
もともと輪読会は研究室などで使われていた「教科書を効率よく理解する方法」です。研究室では昔からCELLやSCIENCEなどの難解な英語の論文を日本語に訳して理解する際に使われています。
今は、ブロックチェーンなど複雑な技術が多く、IT系の技術者が有志で輪読会を行うなど、再び注目が集まっています。
輪読会はうまく運営できれば最速で本を理解する方法です。
しかし、輪読会をうまく運営できなければ逆に本の内容を全く理解できない可能性もあります。
今回は、輪読会の意味と最速で本を理解できる進め方について解説したいと思います。
輪読会の進め方のコツは「みんなで協力して本を理解しようの会」
輪読会の意味を辞書で調べると下記になりました
人々が集まって、同じ教科書などの本を読み、その内容について意見を交わすことを意味する語。事前に決められた担当者が、本の内容を訳したりまとめたりしてから、他の参加者が理解できるように発表する形式がとられることも多い。
この意味だと、「え?読書会も発表するよね?」と疑問を持つでしょう。
読書会と輪読会の違いを詳しく見ていきましょう。
読書会と輪読会の具体的な違いは?
それでは読書会と輪読会で具体的に行っていることから考えてみると、下記のことが分かります。
読書会と輪読会の違い
- 読書会:発表が目的
- 輪読会:理解が目的
読書会は、自分の学んだ知識や感想を発表することが多いです。
輪読会の多くが論文や難解な技術書を皆で理解するために開催されていました。
読書会は「参加者が本を自由に持ってくる形式」と「課題図書が決まっている読書会」に分けることができます。
読書会の形式を知りたい方は「【読書会とは】読書会の定義ではわからない読書会の形式の違い解説!」に詳しく書いていますので、興味があればどうぞ。
違いを比べると、輪読会と読書会の違いがより鮮明に分かります。
参加者が本を自由に持ってくる読書会と輪読会は全く違う
参加者が本を自由に持ってくる読書会はまさに発表が目的の読書会です。
広く浅く知識や経験を学ぶことが目的なので、新しい知識や新しい本と出会えれば、目的が達成できるので、発表が目的の読書会になるのです。
課題図書が決まっている読書会と輪読会の違いは参加者が読了してるかどうか
課題図書が決まっている読書会と輪読会は1冊の本を語り合うという点が似ています。
しかし、課題図書が決まっている読書会と輪読会の最大の違いは参加者が読了しているかどうかです。
輪読会は章ごとに担当が振られているので、読了していなくても問題がありません。
なぜなら、輪読会は、みんなで協力して1冊の本を理解することが目的だからです。
一方の、課題図書が決まっている読書会の場合は全員が読了しているのが前提であり、お互いの知識や感性で本の内容を深掘りして理解するのが目的なのです。
課題図書が決まっている読書会と輪読会の違い
- 課題図書が決まっている読書会:全員が読了して本の内容を深める
- 輪読会:各章を分担して本の理解度を深める
輪読会は広く言えば読書会の形式に当てはまる
読書会と輪読会は違うと言いましたが、輪読会も「本をテーマにコミュニケーションをするイベント」という読書会の定義に当てはまるので読書会の一種です。
分かりづらいと思うので、下記に表でまとめてみました。
輪読会の進め方とは?工夫すれば最速で本を理解できる
簡単に言えば、輪読会は「みんなで協力して難しい本を理解する」ことです
みんなで協力して本を理解するには、輪読会をうまく運営することが大切です。
それでは、輪読会の進め方を解説します
輪読会で発表する章の担当を分ける
輪読会に参加する人で章ごとに発表する担当を分けましょう。
担当を分ける際に、発表時間(発表は○分)と伝えてあげると良いでしょう。
読書会を開催しているときでしたが、発表は○分と伝えなかった際に参加者の方に3分で本を紹介するはずなのに15分間話し続けられたことがあります。
もしかすると、輪読会でも膨大な資料を用意され、輪読会が終わらないというケースもありえるので、発表時間を最初に教えてあげるようにしましょう。
また、事前に準備するのが難しかったり、章の担当で分けるのが難しいのであれば、1行ずつ読み合わせすることも輪読会です。
輪読会の担当した章の発表に向けて準備する
輪読会の担当した章の発表に向けて準備をしましょう。
準備する人はギリギリで用意しないで、時間に余裕を持って用意すると良いでしょう。輪読会で扱われるテーマは本当に難解なものが多く注意が必要です。
輪読会は「参加者が理解できるように発表すること」ですので、レジュメを用意する場合は、読書会のように自分だけが分かれば良いメモではなく、視覚的にも伝わりやすいレジュメにしたほうが良いです。
伝わるレジュメのコツは、文章だけで説明せずに、図で説明したり、箇条書きを用いて説明することです。
他にも、文章を引用するよりは、自分の中でよりわかりやすい言葉で説明しましょう。
わかりやすい言葉を作る過程で、理解を深めることができ、輪読会参加者の理解度がより高まります。
輪読会で担当していない章の質問を事前に考える
輪読会では自分の担当の部分だけ行えばよいのかと言うとそうでもありません。
輪読会で重要な所は、自分の担当以外の部分の質問を予め考えておくことです。
質問を予め考えれば自分が聞きたい部分が明らかになるので理解力が高まります。
例えば、10人で輪読会を行えば一つの章に最低でも10個の質問が集まり、回答することで参加者の理解をより高められます。
逆に、質問を事前に考えないと、参加者は受け身のスタンスで説明を聞いてしまうため、理解力を上げられません。
輪読会で大切なのは自分の担当ではない章の質問を考えることです。手間かもしれませんが、理解力を高めるために行うと良いでしょう。
輪読会で学んだことを各自がまとめて共有する
輪読会が終わると全ての章の内容が理解できている状態になるでしょう。
しかし、そのままにしては、学んだことをすぐに忘れてしまいますし、理解力をもっと上げられるのにやらないのはもったいないです。
輪読会で学んだことを各自がまとめ、参加者同士で共有すれば、お互いに理解が足りない所を補えるので、より有意義な輪読会にできます。
輪読会の進め方のコツと読書会と輪読会の違いを理解しよう!
読書会と輪読会の違いを理解すれば、それぞれに適正な進め方を行うことができます。
読書会は発表重視であり、輪読会は参加者の理解重視で進めていけば基本問題はありません。
輪読会のススメ方のコツは
- 事前に質問を考えること
自分の担当ではないパートの質問すれば、周りの理解度も上がります。 - 参加者にまとめを共有すること
発表しっぱなしではなくまとめを共有すれば、復習になります。
です。
参加者にまとめを共有する場合はGoogle Documentなどを活用して、共有するのがおすすめです!
輪読会も上手く活用しながら、読書ライフを充実させましょう!