書評:Dare to Lead「リーダーには傷つきやすさが必要?」

東京の読書会コラム

いつもありがとうございます。

今回はDare to Leadについて読みましたのでご紹介します。

Dare to Leadのあらすじ

#1 NEW YORK TIMES BESTSELLER • Brené Brown has taught us what it means to dare greatly, rise strong, and brave the wilderness. Now, based on new research conducted with leaders, change makers, and culture shifters, she’s showing us how to put those ideas into practice so we can step up and lead.

著者は20年間に渡り、恥、共感などの人の感情について調査してきた大ベテランです。そんな著者が、多くの企業に「新しいリーダーシップとはなんですか?」とインタビューをした結果、共通して一つの回答があったことに気づきました。それは「Braver Leader」です。

なぜなら、テクノロジーが進歩し、地政学的にも複雑になっていくからです。

勇気を持って発言をし、人々を導けるリーダーが必要だからなのです。

新しいリーダーシップ「大胆なリーダー」

複雑で、テクノロジーの変化がめまぐるしいなかで、心のもろさと共に生きることが必要になっていきます。

なぜなら、勇気を持つには、心のもろさが必要だからです。

心配などの弱い感情があれば、勇気を持てるといわれています。といっても、それに関するエビデンスは何も書かれていませんが…。

新しいリーダーシップを形成する4つのスキル

勇気をもったリーダーになるのは、天性の生まれつきではありません。

じつは、教えられる4つのスキルをマスターすれば、新しいリーダーシップをマスターすることが可能です。

  • Rumbling with Vulnerability
  • Living into Our Values
  • Braving Trust
  • Learning to Rise

それぞれのスキルの根幹にあるのは、心のもろさにもがく能力です。というのも、新しいリーダーシップというのは心のもろさに対して、もがく能力以上にはならないのです。

Adaptability to change, hard conversations, feedback, problem solving, ethical decision making, recognition, resilience, and all of the other skills that underpin daring leadership are born of vulnerability.

Rumbling with Vulnerability「傷つきやすさとともに生きる」

Vulnerabilityを辞書で調べると「脆弱性」という言葉になります。

Vulnerabilityとは、私たちが予想もしていないコントロール不可能な状況に陥った時に起こる感情のことです。

  • 不安や不確実性を与えるもの
  • 自己防衛反応がいつも働くもの
  • 守りなしで受け止めるには勇気がいること

つまり、「傷つきやすいこと、心のもろさ」のことなのです

人は、このような傷つきやすいことや、心がもろくなりやすいことを、無意識のうちにシャットダウンし、聞かないようにする傾向にあります。

人種問題や、うまくいっていないことについては、聞かれたくもないですよね?

しかし、そのような聞かれたくもない、あなたにとって傷つきやすいことに対するフィードバックから目をそらしていては成長はないのです。

自分が傷つきやすいことを目をそらさずに受け止めるのは厳しいですよね。

誰の意見でも受け入れてしまっていては心がつらくなります。

そのため、誰の意見を重要視するのかは先に決めておきましょう。

こういった点から考えれば、Rumbling with Vulnerabilityをするには下記の点が必要になります。

  • 傷つきやすくなるためには信じることが必要である
  • 信頼を形成するためには、傷つきやすくなることが必要である

Living into Our Values「価値観とともに生きる」

価値観とともに生きるというのは、価値観を宣言するのではなく、実行することを意味しています。

価値観とともに生きるのに必要なことは下記の3点です。

  • 名前が付けられない価値観に沿って生きることは不可能
  • 価値観を行動で実践する
  • 共感と自己肯定感を持つ

名前がないような価値観だと、価値観に沿って生きることは不可能だといいます。

ただ、価値観を持っていたとしても、行動に移していない場合は「たわごと」でしかありません。そのため、行動で実践することが重要です。

価値観に沿って生きるということは、厳しい状況になったとしても、行動をしなければいけません。そのために必要なのが、共感性・自己肯定感です。

  • 共感性:価値観を知り、行動に移してくれるサポートしてくれる2人・3人からのサポート
  • 自己肯定感:他者が共感してくれなかった時、自分で自分をサポート

価値観を知ることは自分を知ること。価値観がないのは自分ではない。ですので、まずは自分の価値観を明確にすることから始めましょう

Braving Trust「勇敢な信頼」

信頼を語ることは難しい。

しかし、信頼とは、チームや組織をくっつけるノリのようなものであるため、信頼をしないということもあり得ない。

リーダーには信頼が必要である。では、どのように信頼すればよいのだろうか?

他者と信頼を築くため、また、自分自身を信頼するためにも、下記の7つの方法が効果的だといわれています。

  • ルールを明確にする:何をしてOKで、何をしたらNGなのか明確な線引きをする
  • 信頼性を持つ:有言実行する。
  • 説明責任を果たす:失敗を認め、謝罪し、訂正する
  • 共有すべきではない情報を共有しないこと
  • 高潔:居心地よりも勇気を選ぶ。正しいことを選ぶ。
  • 判断しない:判断せずにどのように感じたかについて話し合う
  • 寛容さ:可能な限りの寛大な解釈をする

Learning to Rise「起き上がることを学ぶ」

著者が行った研究によると、じつは、悪化する可能性があったとしても、戻す方法を知っている人の方が、勇敢な行動をとることができたといいます。

つまり、失敗を予想し、対策をあらかじめ持っていたほうが勇敢な行動がとれる。

失敗から学ぶことは多いので、どんどん失敗したほうが良いでしょう。

しかし、失敗から回復するスキルがなければ、リスクを取ることができないかもしれない。そのために必要なのが、Learning to Riseなのです。

Learning to Riseは3つのことで構成されています。

  • The Reckoning「推定」
  • The Rumble「発見」
  • The Revolution「革命」

失敗から回復するスキルが高い人は、感情が動かされた原因を推定します。

つまり、Reckoningとは、「何がフックとなり自分の感情が動かされたのかを知り、なぜ、動かされたのかに興味を持つ」ことなのです。

感情が動かされたことを客観的に把握する必要があるため、マインドフルネスや深呼吸をすることにより、感情を落ち着かせることが効果的だそうです。

感情が動かされたことを把握しようと思っても、十分なデータがない場合があります。

その時に必要なのがRumblingです。

足りない部分に関して、物語を作ることで、感情が動かされた原因を発見することができます。

皮肉屋や批評家が多い世界で、勇気とともに正直に生きることは、ある種世の中に対する抵抗のようなものです。

Revolution、つまり「革命」といえば、ドラマチックな感じがしてしまいますが、信頼性と価値を選ぶことは、この世界においては絶対的な抵抗の行動とも言えるのです。

新しいリーダーシップをマスターしよう

勇敢なリーダーシップを妨げる背後にあるのは恐怖に対する反応である

勇気とは、伝染するものです。

見せかけのリーダーシップを辞めて、心からのリーダーシップを取るようにしましょう。

大胆なリーダーは自分が導く人をケアし、繋がりを形成しています。

完全主義の鎧を捨て、自分は未熟で傷つきやすいものだということを受け入れ、他社からのフィードバックを得ましょう。

これから必要な新しいリーダーシップとは「心の弱さとともにあるリーダーシップなのです」

以上、書評:Dare to Lead「リーダーには傷つきやすさが必要」を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回読んだ本は下記のとおりです

Dare to Lead: Brave Work. Tough Conversations. Whole Hearts.

Dare to Lead: Brave Work. Tough Conversations. Whole Hearts.

Brown, Brené
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