「私は何をすれば良いの?」
「どのような本を読めば良いの?」
残念ながら、この世の中にわかりやすい正解はありません。
しかし、正解を探しがちで、悩んでいるあなたにおすすめな本があります。
それが「2020年6月30日にまたここで会おう」です。
本書は、残念ながら2019年8月に亡くなってしまった瀧本哲史さんの2012年に東大で講義した内容をまとめた1冊です。
久しぶりに瀧本さんの本を読みましたが、激アツでした。
「2020年6月30日にまたここで会おう」のあらすじ
2019年8月に、病のため夭逝した瀧本哲史さん。ずっと若者世代である「君たち」に向けてメッセージを送り続けてきた彼の思想を凝縮した”伝説の東大講義”を、ここに一冊の本として完全収録する。スタジオ収録盤にはないライブ盤のように、生前の瀧本さんの生の声と熱量の大きさ、そしてその普遍的なメッセージを、リアルに感じてもらえると思う。さあ、チャイムは鳴った。さっそく講義を始めよう。瀧本さんが未来に向けて飛ばす「檄」を受け取った君たちは、これから何を学び、どう生きるべきか。この講義は、君たちへの一つの問いかけでもある。
この記事で学べることは?
- 自分で考えない人が奴隷である理由とは?
- 考えるために必要なものとは?
- 行動しない読書が意味がない理由とは?
「2020年6月30日にまたここで会おう」がおすすめな方
本書がおすすめな方は下記の通りです。
- 瀧本哲史さんが大好きな方
- 20代の人
- 自分が進むべき道に迷っている人
- 正解を探しがちな人
- これからどのようなスキルが必要なのか気になる人
本書は2012年6月30日に行われた東大での瀧本哲史さんの講義をまとめた本です。
8年前の本だと言うと、若干古いのではないのか?と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
読めばわかりますが今でも通用する本であり、今だからこそ重要なことが書かれている本だとも言えるほどです。
「2020年6月30日にまたここで会おう」の構成
この本の構成は下記の通りです
- 第一檄 人のふりした猿にはなるな
- 第二檄 最重要の学問は「言葉」である
- 第三檄 世界を変える「学派」をつくれ
- 第四檄 交渉は「情報戦」
- 第五檄 人生は「3勝97敗」のゲームだ
- 第六檄 よき航海をゆけ
「檄」と書かれているのは、講義録という形式をとっており、檄を飛ばしているからです。
それぞれの檄の中に、非常に参考になり、実践したくなるような知識が盛りだくさんに含まれています。
まだ、瀧本さんの本を読んだことがない人は、正直、この本から読み始めても良いでしょう。
そのくらい集大成として、エッセンスが詰め込まれていると言っても過言ではないのです。
自ら思考することの大切さ
この本の中での瀧本さんの一貫した主張とは「自ら思考することが大切である」ということです。
自分の頭で考える人が増えないと社会が成立しない「カリスマには限界がある」
なぜなら、ひとりひとりが思考をしなければ、社会が成立しないからです。
資本主義も、自由主義も、民主主義も根底にあるのは「自分で思考する」ということです。ただ、残念ながら、大部分の人は自分で考えられない「奴隷」のような人が増えていると言われています。
自ら思考しなければ、奴隷であるのと変わりません。奴隷が多ければ、社会は成立せず、日本が再生するのは不可能です。
これは、会社だったら誰でも経験していることだと思います。指示待ち人間が増えたところで、業績は一向に回復しないからです。
自分の頭で考えない人間はコモディティとなる
また、自分の頭で考えない人は、他者と代替可能な人になります。著者の言葉で言えば「コモディティ化」した人材なのです。
今後はコモディティ化した人間はどんどん淘汰されていくことになります。
なぜなら、代替可能であれば、安い労働力の方にシフトしくことになり、年齢が高くなれば、給料が上がる年功序列社会においては、圧倒的に不利となるからです。
自分で考え自分で決められる人間でなければ社会は成立しない
正解はないから知識を学べ「自分の答えは自分で決める」
わかりやすい正解というものはない。なぜなら正解とは人によっても異なるし、時代によっても異なるから。
この本では、瀧本さん自身が、わかりやすい正解を教えることには否定的です。
なぜなら、正解というのは一方的な見方でしかないため、新しい学問や理論を開拓することができないから。
世の中に稼げる副業だったり、投資方法だったり色々と教える人はいるでしょう。人生を選択するのにも「べき」という強い言葉を使って、扇動する人はたくさんいます。
しかし、そのようなわかりやすい答えは、必ずしもこれからのあなたの生き方に適しているとは言えません。
むしろ、わかりやすい答えばかりを求め続けてしまった結果、自分で考える力が失われてしまい、仮説を立てられるなくなるでしょう。
自分の頭で考えることは必要です。では、自分の頭で考えるために必要なのは何かと言えば、リベラルアーツ。
つまり教養です。自分の思考や決断に自身が持てるほどの教養を身につけるべきであると。
本を読んで終わりにするのではなく行動に移すことが大切
意識高い人が何人も集まって意見交換をしたところで、結局行動しないのであれば意味がありません。
本書の中でも瀧本さんは下記のように述べておりました。
本というのは、「へえ、なるほど!」と読んでオシマイではなく、読書がないか具体的に行動するためのきっかけづくりでないといけない。
読書家の人は多くの本を読んでいると思います。しかしながら行動しないのであれば意味がありません。
行動しない読書は何も生み出さず、なにも変わらないからです。
「2020年6月30日にまたここで会おう」まとめ
「2020年6月30日にまたここで会おう」は瀧本さんの集大成とも言える本だなと個人的には思っています。非常によくまとまっており、とても勉強となりました。
本書には他にも下記のことが書いてありました。
- パラダイムシフトはどのようにして起こるのか
- 伊藤博文は何歳から活躍していたのか
- もっとも起業のコンテンツはアイデアではない
- 普遍的に必要になるものが「交渉」である理由
- 失敗してもやり続けることの有用性
以上、書評「2020年6月30日にまたここで会おう」瀧本哲史のエッセンスが学べる本を解説しました
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回紹介した本はこちら
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